日ソ両国、歴史的和解へ ── 日ソ基本条約が正式に批准

【東京 2月25日】

極東の緊張緩和に向けた大きな一歩が、本日ついに踏み出された。先月20日に北京で調印された「日ソ基本条約」が本日、正式に批准された。これにより、1917年のロシア革命以来、長らく断絶状態にあった日本とソビエト社会主義共和国連邦との間に外交関係が樹立される。シベリア出兵という不幸な歴史を経て、両国はついに「相互不干渉」と「経済協力」を柱とした新時代の互恵関係へと舵を切った。

今回の条約批准の背景には、わが国における北サハリンの利権確保(石油・石炭)という切実な経済的要請と、国際的孤立を避けたいソ連側の戦略的思惑が合致したことがある。芳沢謙吉公使とカラハン全権大使による粘り強い交渉の結果、ソ連側は日露戦争の結果として得られた「ポーツマス条約」の有効性を承認した。一方でわが国は、北サハリンからの撤兵を約束した。これは、イデオロギーの壁を越え、実利を優先させた「現実主義的外交」の勝利とも言える。

現場となった外務省では、批准の手続きを終えた当局者たちが安堵の表情を見せる一方、国内では複雑な反応が渦巻いている。この国交樹立に伴い、共産主義思想の流入を恐れる声が保守層を中心に根強く、政府はこれに対抗すべく「治安維持法」の制定に向けた動きを加速させている。ある官僚は「窓を開ければ新鮮な空気(資源)も入るが、煤煙(革命思想)も入る。戸締まりを盤石にするのは当然の責務だ」と、厳しい表情で語った。銀座の街角では、ソ連という未知の国との交易再開に期待を寄せる商人の姿も見られる。

この条約の批准が、極東における軍事的緊張を和らげ、わが国の資源外交を盤石なものにするのではないかとの見方もある。北の海を越えて結ばれたこの握手が、東アジアの平和にいかなる果実をもたらすのか、その行方が鋭く注目される。

— RekisyNews 政報 【1925年】

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