【鹿児島・内之浦 1月8日】
本日未明、鹿児島県内之浦宇宙空間観測所から、東京大学宇宙科学研究所 が開発したハレー彗星探査機「さきがけ」がM-3SIIロケットにより打ち上げられ、地球周回軌道を離脱した。これにより「さきがけ」は日本で初めて地球の重力圏を脱し、太陽の周囲を公転する人工惑星となった。
「さきがけ」は、今後接近が予測されるハレー彗星の本格探査に先立ち、宇宙空間での観測技術や航行制御の実証を目的としている。探査機には太陽風や惑星間磁場を測定する観測装置が搭載されており、長期間にわたる深宇宙運用の経験を積むことが期待されている。
打ち上げは順調に進み、関係者によれば通信状態や姿勢制御にも大きな問題は確認されていない。今回の成功は、わが国の宇宙科学が地球周回の段階を超え、惑星間空間へ本格的に踏み出した象徴的な一歩と受け止められている。今後の彗星探査計画への弾みとして、国内外から注目が集まっている。
— RekisyNews 科学面 【1985年】
