【東京・両国国技館 12月6日】
本日行われた 新日本プロレス両国国技館大会 に、当時急成長を遂げていた UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション) の前田日明、藤原喜明、木戸修、高田伸彦(現在の高田延彦)、山崎一夫の5名が突如姿を現し、新日本プロレスに対して“全面対抗戦”を要求する宣戦布告 を行った。
場内は一瞬にして騒然となり、観客からは驚愕と興奮の入り交じった大歓声が巻き起こった。
大会も中盤に差しかかった頃、場内の照明が落ち、花道奥にUWFの面々が姿を現した瞬間、観客席はどよめきに包まれた。黒いスーツ姿の前田日明がリングへ向かうと、新日本側の選手・スタッフが緊張の面持ちでこれを迎えた。
リングに上がった前田はマイクを掴み、「新日本プロレスよ、俺たちは本物の格闘技を見せに来た。勝負をしようじゃないか!」と力強く宣言。隣に立つ藤原喜明も「プロレスの原点は闘いだ。逃げるなよ」と挑発し、場内のボルテージは最高潮に達した。
一方、新日本側は突然の乱入に困惑しつつも、長州力をはじめとする選手がリングサイドに姿を見せ、にらみ合いの緊張が極限まで高まった。しかし、乱闘に発展する寸前で関係者が両陣営を制止し、リング上はかろうじて混乱を回避。観客席からは「やれ!」「戦え!」と割れんばかりの声援が飛び交った。
大会終了後、UWF側は記者団に対し「今日の宣言は始まりにすぎない。受けるなら、いつでもリングに上がる」とコメント。一方、新日本関係者は「正式な申し入れではないため対応を検討中」と慎重な姿勢を示した。
今日の電撃的な“乗り込み”は、プロレス界にくすぶっていた団体間抗争の火種を一気に爆発させた象徴的な瞬間となった。
両陣営の対立は今後どのような形で表面化するのか、プロレスファンの注目が一気に高まっている。
— RekisyNews スポーツ面 【1985年】
