ジャイアント馬場、NWA世界王座を日本人初獲得──“世界最高峰のベルト”ついに日本へ

【東京 12月2日】

本日行われたプロレス興行において、全日本プロレスのジャイアント馬場選手が、王者 ジャック・ブリスコ 選手を破り、NWA世界ヘビー級王座を獲得した。NWA王座は長年アメリカ勢が独占してきた“世界最高峰のタイトル”として知られ、そのベルトが日本人レスラーの腰に巻かれるのは史上初のことである。観衆は歴史的瞬間を目撃し、会場は大歓声に包まれた。

試合は三本勝負による2本先取制で行われた。序盤、ブリスコ選手は巧みな関節技とグラウンドの攻防で主導権を握り、馬場選手の長身を揺さぶる展開が続いた。しかし馬場選手は中盤、強烈なブローとエルボーで流れを引き戻し、観客から「馬場!」の大コールが沸き起こった。

勝敗を分けたのは最終フォール。馬場選手は終盤、渾身の32文ドロップキックを放ち、ブリスコ選手を大きく倒すと、すかさず体固めによるピンフォールを奪取。レフェリーの手が三度マットを叩いた瞬間、場内は総立ちとなり、大記録達成を祝う拍手と叫びが響いた。

馬場選手は試合後、「支えてくれたファンのおかげです。日本のプロレスの力を世界に示すことができた」と語り、誇らしげにベルトを掲げた。王者の敗北に肩を落としながらも、ブリスコ選手は「馬場は強かった。今日は彼の日だった」と語り、その実力を認めた。

今回の戴冠は、日本のプロレス界にとって決定的な転換点となる。長らく米国中心で形成されていた世界プロレスの勢力図の中で、日本人レスラーが初めて最高峰に到達したことは、今後の国際戦線にも大きな影響を与えるとみられる。若い選手たちも刺激を受けており、道場では早くも「世界を目指す」という声が高まっている。

歴史的快挙を遂げた本日、プロレス界は明確に新しい時代へと踏み出した。日本のリングから、世界王者が誕生したのである。

— RekisyNews スポーツ面 【1974年】

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