【東京 11月29日】
本日午後、東京・明治神宮外苑競技場にて、わが国で初めてのアメリカンフットボール競技の試合が開催された。米国発祥の新しい球技として関係者の間で注目を集めていたが、正式な試合として公開されるのはこれが初めてであり、学生や在留外国人ら多数の観客が詰めかけ、競技場には独特の緊張と期待が漂った。
試合は、在京の学生選抜チームと在日米国人チームによって行われた。楕円形のボールを抱えて前進し、相手陣地の奥に到達して得点を競うこの競技は、日本の従来の球技とは異なる激しい接触と巧妙な戦術が特徴だ。序盤から力強いタックルや緻密な隊形の組み立てが繰り返され、観客席からは驚きの声が上がった。
競技場では、選手たちが防具を身につけ激しくぶつかり合う様子に、初めて目にする来場者も多く、その迫力に圧倒される姿が見られた。休憩時間には、米国式のルール説明が場内アナウンスで丁寧に行われ、観客は配布資料を手に熱心に耳を傾けていた。試合後半では学生側が奮闘し幾度か好機を作ったが、最終的には経験豊富な米国人チームが主導権を握り、競技全体の理解と技術差が浮き彫りとなった。
終了後、学生チームの主将は「初めての試合で戸惑いも多かったが、今後は練習を重ね、この競技を日本に広めたい」と語り、記者団の前で笑顔を見せた。観客からも「新しい時代のスポーツを見た気がする」「また次の試合を観たい」との声が上がり、日本における普及へ向けた手応えが感じられた。
本日の試合は、学校関係者を中心に定期的な交流戦の開催が検討されており、今後は本格的な競技団体の設立も期待されている。東京の秋空の下、異国の競技が放った新たな息吹は、多くの人々の胸に鮮烈な印象を残した。
— RekisyNews スポーツ面 【1934年】
