プロ野球、初の「ドラフト会議」開催 新人獲得に統一ルール導入

【東京 11月17日】

日本のプロ野球界で本日、初めてとなる新人選手選択会議(ドラフト会議)が東京都内のホテルで開かれ、各球団が翌シーズンの新人獲得に向けて交渉権を争った。長年、スカウトによる“青田買い”や人気校出身選手の独占などが問題視されてきたが、これを是正し、新人獲得の公正化を図るための制度として注目を集めている。

会場には、読売ジャイアンツをはじめとするセ・パ12球団の代表者が出席。指名は1位から順に行われ、重複した場合は抽選で交渉権を決定するという新方式が採用された。注目の的となったのは、巨人入りを希望していた早稲田実業の堀内恒夫投手で、複数球団が競合した末に読売ジャイアンツが交渉権を獲得。会場には静かな緊張が走った。

この制度は、アメリカ大リーグのドラフト制度を参考に導入されたもので、若手選手の進路をめぐる混乱を避けるとともに、弱小球団にも有望選手獲得の機会を与える意図がある。プロ野球関係者の間では、「戦力均衡に向けた大きな一歩」との評価が上がる一方、選手側からは「球団を選べない制度への不安の声」も漏れている。

ドラフトは今後、毎年オフシーズンに行われる予定で、日本野球の競争構造を大きく変える可能性を秘めている。新人獲得の舞台は、今日を境に大きな転換点を迎えた。

— RekisyNews スポーツ面 【1965年】

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