シンザン、堂々たる三冠達成 23年ぶりの快挙

【京都 11月15日】

京都競馬場で本日行われた第25回菊花賞で、栗毛の名馬シンザン号(武田文吾厩舎、騎手:栗田勝)が見事に勝利を収めた。これにより、皐月賞・日本ダービーに続く勝利となり、日本競馬史上2頭目となる三冠馬の栄誉を手にした。前回の達成者セントライト以来、実に23年ぶりの快挙である。

レースは18頭立てで行われ、スタート直後からシンザンは中団につけて様子をうかがった。第3コーナーでじわじわと進出し、直線では先行勢を鮮やかに抜き去り、2着のミハルカスを抑えて1馬身半差でゴール。ゴール板を駆け抜けた瞬間、スタンドは大歓声に包まれた。

シンザンは京都府の畠山牧場で生まれ、父ヒンドスタン、母ハマナスという血統。気性の荒さで知られながらも、抜群の勝負根性を見せてここまでわずか10か月でクラシック三冠を制覇した。武田調教師は「馬がすべてやってくれた。これ以上の名誉はない」と声を詰まらせた。

この三冠制覇は、戦後日本競馬の成熟を象徴する出来事として語り継がれるだろう。関係者の間では「シンザンは日本競馬の歴史を変えた」との声も上がる。名馬の名は、すでに伝説となりつつある。

— RekisyNews スポーツ面 【1964年】

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