【京都 11月13日】
本日京都競馬場で行われた第44回菊花賞(芝3000m、G1)にて、ミスターシービー(牡3、松山康久厩舎)が見事優勝を果たし、クラシック三冠を制覇した。これは1964年の名馬・シンザン以来、実に19年ぶり、日本競馬史上3頭目の偉業となる。
ミスターシービーは、春の皐月賞、東京優駿(日本ダービー)を共に後方一気の豪脚で制しており、今回の菊花賞でもその末脚をいかんなく発揮。スタート直後は後方を追走したが、第3コーナーから一気に進出、直線で力強く抜け出し、2着のリードホーユーに2馬身差をつけてゴール板を駆け抜けた。
鞍上の吉永正人騎手は「これほどの馬に乗れたことは騎手冥利に尽きる」と興奮冷めやらぬ様子で語った。厩舎関係者も「無事に三冠を達成してくれて本当に誇らしい。日本競馬の歴史に名を刻んだ」と喜びを口にした。
1977年のテンポイント、1978年のトウショウボーイなど、数々の名馬が三冠を惜しくも逃す中、ミスターシービーはその壁を乗り越え、新たな伝説を作り上げた。今後の古馬戦線でも、競馬ファンの注目はこの若き王者に集中するだろう。
— RekisyNews スポーツ面 【1983年】
