【三重・鈴鹿 11月10日】
本日、三重県の鈴鹿サーキットにて、オートバイ世界選手権(WGP)第1回日本グランプリが盛大に開催された。これは日本で初めてFIM(国際モーターサイクリズム連盟)公認の世界選手権レースとして実施されたもので、国内外の注目を集めた一大モータースポーツイベントである。
レースが行われたのは、昨年開業したばかりの本格的な常設サーキット「鈴鹿サーキット」。コース全長は5.8kmに及び、アップダウンや多彩なコーナーを備えた日本有数の難関コースとされている。天候に恵まれた秋晴れの中、イタリア・イギリスなどから世界の強豪ライダーたちが出場。国内からもホンダ、ヤマハ、スズキなどが自社マシンを擁して参戦し、技術力を競い合った。
特に注目を集めたのは、日本勢が500ccクラスをはじめ複数カテゴリで健闘を見せた点である。先行する欧州勢に対して、スピードとコーナリングで真っ向勝負を挑む姿勢に、沿道の観客からは惜しみない拍手が送られた。観客動員数は推定6万人超とされ、地方開催のスポーツイベントとしては異例の盛況ぶりとなった。
今回の開催は、日本のモーターサイクル産業の国際的評価を高める大きな一歩とされる。FIMは今後も日本での定期開催を検討中であり、来年以降の展開にも期待が高まっている。
— RekisyNews スポーツ面 【1963年】
