【東京・府中 11月8日】
本日、東京府北多摩郡府中町(現・東京府中市)にて、待望の東京競馬場が盛大に開場した。日本競馬会(JRAの前身)によるこの施設は、近代的な設備と広大な敷地を備えた、国内随一の競馬場として整備されており、今後の日本競馬の中核を担うことが期待されている。
開場式典には多数の来賓や競馬関係者、報道陣が集まり、競馬ファンら約2万人が詰めかけた。式典後に行われた記念競走では、各地の名馬が集い、白熱したレース展開に歓声が沸き起こった。
これまで東京市内の目黒競馬場で行われていた競馬は、施設の老朽化と交通の便の問題などから移転が検討されていた。府中の地に新設されたこの競馬場は、総面積約60万平方メートル、1周2000メートルの芝コースを持ち、日本初の電光掲示板やパドックなども導入された先進的な設計となっている。
関係者によれば、「今後は東京競馬場を中心に、日本の競馬文化をさらに発展させていきたい」との抱負が語られた。
東京の新たなランドマークとして誕生したこの競馬場が、庶民の娯楽とスポーツ振興の場として定着するか、今後の動向が注目される。
— RekisyNews 社会面 【1933年】
