【大阪・大阪球場 11月4日】
プロ野球・日本シリーズ最終第7戦が本日、近鉄バファローズの本拠地・大阪球場で行われ、広島東洋カープが4対3で勝利し、球団創設以来初となる日本一の栄冠を手にした。シリーズは4勝3敗の大激戦となり、決着はまさに最終戦までもつれ込んだ。
この試合で最大の見せ場となったのは、9回裏に登板した広島の守護神・江夏豊投手の「21球」だった。1点リードの緊迫した場面、無死満塁という絶体絶命のピンチを迎えるが、江夏は3者を連続で打ち取り、1点も許さぬまま試合を締めくくった。
特に注目を集めたのは、3人目の打者に対して投じた渾身の21球目。その直球で空振り三振を奪った瞬間、マウンド上で江夏は大きく拳を突き上げ、広島ベンチとスタンドは歓喜の渦に包まれた。
シリーズMVPには、その劇的な火消しでチームを救った江夏投手が選出。また、衣笠祥雄選手や山本浩二選手ら主力も随所で勝負強さを見せ、チーム全体での勝利となった。
1975年の初優勝から4年、「赤ヘル軍団」が遂に球界の頂点に立つ。この勝利は広島市民にとって大きな喜びとなり、夜遅くまで市内は祝賀ムードに包まれている。
— RekisyNews スポーツ面 【1979年】
