戦後復興の象徴、国体開幕──京都・大阪で第1回国民体育大会 秋季大会が開幕

【京都・大阪 11月1日】

戦後初の全国規模の総合スポーツ大会「国民体育大会」秋季大会が本日開幕し、京都と大阪の各会場で熱戦の火ぶたが切られた。この大会は、5月に東京都で行われた春季大会(スキー)、9月に関東で実施された夏季大会(水泳・陸上など)に続くもので、初年度国体の締めくくりとして重要な意義を持つ。

今回の秋季大会では、野球、サッカー、テニス、ホッケー、ボートなど計11競技が実施され、全国から延べ5,000人以上の選手団が参加。戦後の混乱を乗り越えた日本国民の結束と活力を示す場として、大会には大きな注目が集まっている。

開会式は京都市で行われ、文部省や地元自治体の代表者が出席し、再建に向けたスポーツの役割を強調。選手団入場では、まだ制服や運動着が揃わぬ選手も見られたが、各地域の誇りを胸にしたその姿に、観衆から温かい拍手が送られた。

今大会の標語は「健康と団結の力で復興へ」。敗戦から1年余り、荒廃した社会にあってスポーツによる希望と連帯を訴えるこの大会は、復興日本の歩みに新たな一頁を刻むものとなりそうだ。

— RekisyNews スポーツ面 【1946年】

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