福岡ダイエーホークス、ついに日本一――ナゴヤドームで35年ぶりの歓喜

【ナゴヤドーム 10月28日】

本日行われたプロ野球日本シリーズ第5戦で、福岡ダイエーホークスが中日ドラゴンズを6対4で下し、シリーズ4勝1敗で初の日本一に輝いた。 旧南海ホークス時代から数えて実に35年ぶりの頂点であり、1988年の福岡移転からの悲願がついに結実した。

試合は中日本拠地・ナゴヤドームで開催。両軍無得点で迎えた3回表、ダイエーは中堅手・関川選手の落球エラーを契機に、一挙6点を奪う猛攻を見せた。 犠牲フライ、タイムリーヒット、押し出し四球などで得点を積み重ね、試合の主導権を完全に掌握した。

先発の佐久本昌広投手は序盤に苦しみ2回1/3で降板したものの、田之上慶三郎、倉野信次、篠原貴行らリリーフ陣が中日打線の反撃を食い止め、最後は守護神ペドラザが締めて逃げ切った。

監督・王貞治氏にとっても、監督就任以来初の日本一。 試合後、「福岡の皆さんと共に勝ち取った勝利。ここまで信じて応援してくれたことに心から感謝します」と語った。

ダイエーはこのシリーズを通して、松中信彦、小久保裕紀、柴原洋、城島健司といった若き主力たちが確かな存在感を発揮。 組織的な野球で中日を上回り、長年のBクラス脱却から王者への階段を駆け上がった。

福岡市内ではテレビ越しに見守ったファンが歓喜に沸き、街頭では号外が配られ、優勝セールが即座に始まるなど、祝賀ムード一色に染まっている。

九州球団による初の日本シリーズ制覇は、地域密着型球団の成功例としても日本野球史に残る出来事となった。

— RekisyNews スポーツ面 【1999年】

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