力道山、プロレス初登場――対ボビー・ブランズ戦で強烈な印象残す

【東京 10月28日】

本日午後、東京都内で開催されたプロレス興行において、元大相撲力士であり「格闘技の新星」として注目を集めていた力道山(りきどうざん)氏が、ついにリングに登場。 外国人レスラー、ボビー・ブランズ選手との一戦で観衆を熱狂させた。

会場となったのは新設間もない目黒区体育館。試合前から「相撲界からの転身」「柔道でも空手でもない新たな闘技」と評されるプロレスへの関心が高まり、約2,000人の観客が詰めかけた。

力道山は、大相撲の元幕内力士・百田光浩として知られ、引退後に海外視察を経てこのたびプロレスラーとして転向。この日の試合は、本人がリングに立つ“初の対外試合”であり、その実力が初めて明かされる舞台でもあった。

試合は、力道山の鋭い突きと受け身を活かしたスピーディーな動きが光り、ブランズ選手の豪腕とパワーファイトに互角以上の応戦。 結果としては引き分けに終わったが、観客からは「日本人でも外国人と戦える!」との声が上がり、熱気に包まれた。

主催者側は、今後も力道山を中心としたプロレス興行を本格化させていく方針を明らかにしており、今後のプロレス界における日本人選手の台頭が期待されている。

力道山本人は試合後、「これは始まりにすぎません。もっと強くなって、日本の男の意地を世界に見せたい」と語り、今後の挑戦に意欲をにじませた。

この日の一戦は、日本プロレス史にとって記念すべき第一歩であり、“力道山時代”の幕開けを告げる出来事となるかもしれない。

— RekisyNews スポーツ面 【1951年】

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