東富士欽壹、横綱昇進──第40代の頂きへ

【東京 10月26日】

日本相撲協会は本日、関脇・東富士欽壹(とうふじ きんいち、本名:諏訪森金一、静岡県出身)の横綱昇進を正式に決定し、第40代横綱が誕生した。東富士は今場所での堂々たる成績と、これまでの安定した実力を高く評価されており、戦後初の生え抜き横綱として新時代の相撲界を牽引する存在と期待されている

東富士は1920年、静岡県駿東郡原町(現・沼津市)生まれ。戦時中の中断を挟みながらも着実に番付を上げ、力強い突き押しと粘り強い取り口で観客を魅了。1948年秋場所では堂々の成績を収め、横綱審議委員会からの推薦を受け、今日の昇進伝達式に至った。

伝達式では、例によって「謹んでお受けいたします」との一礼の後、東富士は「横綱としての責任を重く感じます。一層精進して、国民の期待に応えたい」と静かに、しかし力強く語った。

東富士の昇進により、戦後の混乱期を乗り越えつつある相撲界にも明るい話題がもたらされ、国民の心を奮い立たせる象徴的存在としての役割が一層求められる

今後、土俵入りの型や綱の締め方にも注目が集まる中、東富士の新たな挑戦が始まる。

— RekisyNews スポーツ面 【1948年】

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