【京都 10月26日】
本日、京都競馬場にて開催された第4回農林省賞典四歳呼馬(現在の菊花賞)において、名馬セントライト号(牡4歳、馬齢表記)が他馬を寄せつけない圧巻の走りで勝利を収め、日本競馬史上初となる「クラシック三冠馬」の栄誉を手にした。
セントライトは、4月に東京優駿(日本ダービー)を、続く9月には横浜農林省賞典四歳呼馬(現在の皐月賞)を制しており、今回の勝利により春・秋の三大クラシックを完全制覇。英国の名門競走体系を範とした日本の三冠制度において、初の完全達成者として歴史にその名を刻んだ。
本レースは、雨上がりのやや重馬場という厳しいコンディションの中で行われたが、セントライトは道中を冷静に追走し、最終コーナーから一気に加速。追いすがる後続を突き放し、堂々の先頭でゴールを駆け抜けた。騎手は小西喜蔵氏、調教師は尾形藤吉氏。ともに、「日本競馬の水準を世界に近づけたい」という想いを抱いていたという。
観衆からは「三冠達成、おめでとう!」の声とともに、大きな拍手が沸き起こり、京都競馬場は祝福の雰囲気に包まれた。
セントライトの快挙は、日本競馬の本格的発展を象徴する出来事として、今後語り継がれることとなるだろう。
— RekisyNews スポーツ面 【1941年】
