【モスクワ 10月25日】
本日、ソビエト連邦で開催されていた第4回バレーボール女子世界選手権において、全日本女子代表チームが全勝で初優勝を果たし、世界の頂点に立った。日本は開催国ソ連をはじめ、チェコスロバキア、ポーランドなど強豪各国を次々と下し、驚異のパーフェクト勝利(11戦全勝)で大会を制した。
注目を集めたのは、日本独自のスピードと組織力を活かした戦術と、鍛え抜かれた体力・精神力。決勝ラウンドでは、絶対的優勝候補とされた地元ソ連を3対1で破り、世界を驚かせた。特に、主将・河西昌枝選手を中心にした緻密なコンビネーションと堅牢なレシーブ力は、まさに芸術の域に達していたとの評価が高い。
この歴史的快挙により、海外メディアからは彼女たちに「東洋の魔女(Witches of the Orient)」との称号が贈られ、その名は世界に広がりつつある。大会を通じて見せた粘り強さと規律正しい動きは、単なるスポーツの枠を超え、日本女性の象徴としても称賛されている。
なお、全日本女子チームは大日本紡績(現・ユニチカ)の実業団チームを母体としており、監督・大松博文氏の指導のもと、合宿生活を通じた厳しいトレーニングで実力を高めてきた。今大会の優勝は、日本のバレーボール界にとっても、国際スポーツ界にとっても画期的な出来事となった。
— RekisyNews スポーツ面 【1962年】
