阪急ブレーブス、52年の歴史に幕──西宮で最後の公式戦

【兵庫・西宮 10月23日】

本日、阪急西宮スタジアムにて行われたシーズン最終戦をもって、プロ野球・阪急ブレーブスが球団としての最後の公式戦を終えた。1936年の創設以来、パ・リーグを幾度となく制覇し、黄金時代を築いた名門球団が、52年の歴史に静かに幕を下ろした。

この日スタジアムには、別れを惜しむ多くのファンが詰めかけ、試合前から球場周辺は異様な熱気に包まれた。グラウンドでは懐かしの応援歌や球団旗が掲げられ、かつての優勝シーンを思い起こす映像も流された。

最終戦の相手は近鉄バファローズ。試合は4対3で阪急が勝利を収め、有終の美を飾った。試合後には、選手や関係者がグラウンドを一周し、スタンドに手を振りながら感謝の意を表した

阪急ブレーブスは、阪急電鉄が母体となり1936年に「阪急軍」として創設。1975年から1977年にかけては、上田利治監督の下でパ・リーグ3連覇、日本シリーズ2連覇を達成し、エース・山田久志投手や主砲・加藤秀司選手らが躍動した。

球団はすでに今季限りでのオリックスグループへの譲渡が決定しており、翌1989年からは「オリックス・ブレーブス」として新たな歴史を歩む。ホームも西宮から神戸へ移る見通しで、ファンにとっては地元球団との別れでもある。

スタンドの一角では、かつての名選手たちの名を連呼するファンの声が止まず、別れを惜しむ拍手が長く続いた。ある老ファンは「阪急は人生の一部だった。これで一区切りと思うと、涙が止まらない」と語った。

一つの時代が終わり、新たな時代が始まる。その節目に、多くの人々が西宮の空を見上げ、静かに別れを告げた。

— RekisyNews スポーツ面 【1988年】

アイキャッチ画像 投稿者(Cake6 (talk))がスキャナ – 投稿者祖父撮影, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10787277による

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