【広島 10月22日】
プロ野球・広島東洋カープの衣笠祥雄内野手(40歳)が、本日行われた今季最終戦をもって現役生活に終止符を打った。通算2215試合連続出場という前人未到の記録を打ち立てた男が、18年間にわたるプロ生活に別れを告げた。
舞台となった広島市民球場には、平日ながら大勢のファンが詰めかけ、“鉄人”の最後の雄姿を見届けた。試合前のセレモニーでは、球団・監督・ナイン、そしてスタンドのファンから万雷の拍手が贈られ、スタジアムは感動と敬意に包まれた。
衣笠選手は1965年に広島入団。三塁手として頭角を現し、その後は不動の中心打者としてチームを支え続けた。特に1970年代後半から1980年代初頭にかけての黄金時代には、4度のリーグ優勝と3度の日本一に貢献し、MVPにも輝いた。
何よりも特筆すべきは、1970年10月19日から今日まで17年間、1度も試合を欠場することなく出場し続けたことである。2215試合連続出場は、当時の世界記録であり、「鉄人」の異名は彼の象徴となった。
衣笠氏は試合後、「たくさんの声援に支えられてここまで来られた。本当に幸せな野球人生だった」と語り、帽子を取って深々とスタンドに頭を下げた。
— RekisyNews スポーツ面 【1987年】