南海ホークス、大阪球場に別れ──50年の歴史に終止符

【大阪 10月15日】

今季限りで南海電鉄からダイエーへの球団譲渡が決定している南海ホークスが本日、大阪球場で最後の公式戦を迎えた。1938年の創設以来、半世紀にわたってパ・リーグを支えてきた名門球団の歴史が、今夜をもって一区切りとなった

対戦相手は近鉄バファローズ。試合は4対5で惜敗したが、スコア以上に観客の心を揺さぶったのは、球場全体に漂う「別れの空気」だった。最終戦にはおよそ3万人のファンが詰めかけ、南海ホークスのユニフォームを着た往年の名選手や、ホークス一筋で活躍したファンからのエールがスタンドに響いた。

試合後にはセレモニーが行われ、選手たちが一人ひとりファンへ深々と頭を下げ、50年間の感謝を伝えた。かつてのエース杉浦忠、鉄腕・野村克也といった歴代の名選手の名前を掲げる横断幕も掲げられ、老舗球団の栄光と苦闘の歴史を偲ぶ声があちこちで聞かれた。

南海ホークスは1946年のリーグ再編後、1959年に日本一に輝き、1960年代にはパ・リーグの強豪として名を馳せた。しかし近年は成績低迷が続き、今季も最下位に終わった。球団の経営再建を目的に、福岡を本拠地とするダイエーへの売却が決まったことで、来季からは「福岡ダイエーホークス」として新たなスタートを切る。

大阪球場のナイター照明が徐々に落とされる中、「ホークス、ありがとう!」の声が響いたスタンドは、涙と拍手に包まれていた

— RekisyNews スポーツ面 【1988年】

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