【ニューヨーク 10月1日】
“サッカーの神様”と称された伝説のストライカー、ペレ(本名:エドソン・アランテス・ド・ナシメント、36歳)が本日、ニューヨーク・コスモスとサントスFCとの親善試合を最後に、正式に現役を引退した。世界中のファンに愛され続けた“王”の最後の姿を見ようと、ニュージャージー州ジャイアンツ・スタジアムには7万人超の観衆が詰めかけた。
ペレは、試合の前半を自身の古巣サントスFCの選手としてプレー。後半からは、アメリカのサッカー普及に尽力したニューヨーク・コスモスのユニフォームに着替え、両チームの象徴としてピッチに立った。ラストゲームの得点はなかったが、観客席からは終始「ペーレ!ペーレ!」の大合唱が鳴りやまなかった。
ペレは1956年にブラジル・サントスFCでプロデビューし、わずか17歳で出場した1958年スウェーデン大会でワールドカップ初優勝。その後も1962年、1970年と3度のW杯制覇を達成した唯一の選手として知られ、通算1283得点(公式戦・非公式戦含む)という驚異的な記録を誇る。
引退セレモニーでは、ペレ本人が観客に向けて「Love, Love, Love」と繰り返し語りかけ、スポーツと平和へのメッセージを残した。会場には家族やかつてのチームメイト、世界中のメディアが集い、サッカー史に残る一夜を見届けた。
ペレの引退は、ひとつの時代の終わりを告げると同時に、その偉大さが永遠に語り継がれる瞬間となった。
— RekisyNews スポーツ面 【1977年】