【大阪ドーム 9月26日】
パ・リーグ首位を独走してきた大阪近鉄バファローズが、今夜ついに悲願の9年ぶり優勝を決めた。試合を決したのは、代打・北川博敏選手による逆転サヨナラ満塁本塁打。これが日本プロ野球史上、前例のない「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定本塁打」という、伝説的な一打となった。
2点を追う9回裏、1死満塁の絶好機。バファローズの梨田昌孝監督は、ここで代打に背番号24の北川を送った。対するのは、2位西武ライオンズの守護神・森慎二投手。
その初球、快音がドーム内に響き渡った。高々と舞い上がった打球は、レフトスタンド中段へと飛び込む劇的なグランドスラム。スコアは6対5、試合は一瞬にして幕を下ろした。
ダイヤモンドを一周する北川は、涙を浮かべながら仲間の待つホームへ。ベンチから飛び出した選手たちに迎えられ、歓喜の渦が大阪ドームを包んだ。
ヒーローとなった北川選手は「打てるとは思ってなかった。チーム全員で掴んだ優勝」と言葉を詰まらせながら語った。梨田監督も「北川にすべてを託した。最高の結果を出してくれた」と目を潤ませた。
この日の勝利で、近鉄の優勝はマジック1から一気に決定。シーズン開幕時は下馬評が高くなかったものの、打線の爆発力と若手の台頭で快進撃を見せ、最終盤で劇的なフィナーレを迎えた。
“いてまえ打線”の真骨頂ともいえる、劇的な一打が球史に刻まれた夜だった。
— RekisyNews スポーツ面 【2001年】