米大リーグで前例なき肘の再建手術──左腕トミー・ジョン投手、奇跡に賭ける一大決断

【ロサンゼルス 9月25日】

米大リーグ(MLB)ロサンゼルス・ドジャース所属のトミー・ジョン投手(31)が、本日、ロサンゼルスで史上初となる肘靱帯再建手術を受けた。執刀したのは整形外科医フランク・ジョーブ医師で、損傷した左肘の尺側側副靱帯(UCL)を、前腕の腱を用いて再建する前例のない手術に挑んだ。

ジョン投手は今季15勝を挙げるなど活躍していたが、7月に左肘を痛めて戦線離脱。投手にとって致命的な靱帯損傷と診断されたが、復帰を目指す本人と球団、医師団の協議の末、この新手術に踏み切る運びとなった。ジョーブ医師は「これまでにない挑戦だが、理論上は可能だ」と語る。

この手術では、腱を靱帯の代替とし、肘関節の安定性を回復させることが狙いとされる。成功すれば、将来的に同様の障害に苦しむ投手の希望となる可能性がある。ジョン投手は「自分のためだけじゃない。これが誰かの道を開くかもしれないと思った」と静かに語った。

手術は無事に終了し、今後は1年以上のリハビリが予定されている。復帰できるかは未知数ながら、球団関係者は「彼の挑戦を誇りに思う。我々は復帰を信じている」と述べた。

今後、この手術が投手生命の延命手段として確立されるか、医療界・スポーツ界双方から注目が集まっている。

— RekisyNews スポーツ面 【1974年】

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