“こんばんは”に場内どよめき──ラッシャー木村、猪木との舌戦で異例の挨拶

【東京・蔵前国技館 9月23日】

プロレス界にまさかの“ほのぼの事件”が勃発した。 23日夜、東京・蔵前国技館で行われた新日本プロレスの興行において、リング上でラッシャー木村選手(国際プロレス出身)がアントニオ猪木選手に対し、マイクを通じて「こんばんは」と丁寧に挨拶。その瞬間、観客から失笑とどよめきが巻き起こり、場内は一瞬異様な空気に包まれた。

この日は、国際プロレス崩壊後、初めて新日本のリングに上がった木村選手の“移籍後初マイク”という注目の場面。 猪木選手との因縁も注目されるなか、観客の期待は高まっていた。ところが木村選手が、リング上という緊迫した舞台で開口一番「こんばんは」と述べたことで、殺気立つはずの空気は一気に緩み、会場は笑いと戸惑いに包まれた。

猪木選手も一瞬表情を曇らせながらも、「おい、ここは道場だぞ」と返すなど、貫禄ある受け答えで観客を沸かせた。 その後、両者の視線は再び鋭さを取り戻し、試合前の睨み合いへと移行。とはいえ、この一幕は“事件”としてファンの記憶に深く刻まれることとなった。

会場外では、観戦に訪れたファンの間でも「なんだか癒された」「あれはわざと?」と話題騒然。プロレス史に残る珍場面として、今後も語り草になることは必至だ。

マイク合戦が主戦場となる現代プロレスにおいて、異色とも言えるラッシャー木村選手の一言は、リングの緊張感に新たな“味わい”を加える結果となった。

— RekisyNews スポーツ面 【1981年】

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