【フィラデルフィア 9月19日】
本日、フィラデルフィア・アスレチックスの先発左腕、レフト・グローブ投手が今季30勝目を挙げる快投を披露し、メジャーリーグの投手としては希少となりつつある「シーズン30勝」の大台に到達した。1930年代の到来とともに、登板過多を避ける傾向が強まる中での快挙に、球界関係者やファンの間では驚きと称賛の声が上がっている。
試合はシャイビー・パークで行われた対セントルイス・ブラウンズ戦。グローブは初回からキレのある速球と緩急を生かしたカーブで相手打線を翻弄。要所を締める老獪な投球で、被安打6・奪三振8・失点2の完投勝利を収め、今季の通算成績を30勝6敗とした。
「チームメイトの守備と打撃に助けられてここまで来られた」と、試合後のインタビューで語ったグローブは、謙虚な姿勢を崩さなかった。だが、その背中には、昨年の28勝を上回る圧倒的な安定感と、かつてのワルター・ジョンソン以来と称される剛腕ぶりが確かにある。
アスレチックスを率いる名将コニー・マック監督も「グローブは今季、我がチームの精神的支柱であり、マウンドに立てば誰もが勝利を信じられる存在だ」と最大級の賛辞を送った。
メジャーリーグにおいて1シーズン30勝を達成した投手は、年々その数を減らしており、今後ますます希少な記録となることが予想される。そんな中でのグローブの偉業は、ただの数字以上の意味を持ち、現代野球における「先発完投型エース像」を再び想起させる結果となった。
アスレチックスは今季アメリカン・リーグの上位を維持しており、グローブの安定した投球がポストシーズンでの躍進をさらに後押しするものと期待されている。
— RekisyNews スポーツ面【1931年】