モハメド・アリ、前人未到の3度目の王座奪還──“ザ・グレイテスト”が再び頂点に

【ニューオーリンズ 9月15日】

今夜、米ルイジアナ州ニューオーリンズのスーパードームで行われたWBA世界ヘビー級タイトルマッチにおいて、36歳のモハメド・アリが挑戦者として登場し、現王者レオン・スピンクス(25歳)を15ラウンドにわたる死闘の末、判定3-0で破った。これによりアリは、世界ヘビー級王座の通算3度目の奪還という史上初の偉業を成し遂げた。

試合はアリの冷静かつ老練なボクシングが光り、スピンクスの突進力を封じる巧妙なジャブとフットワークで、終始ペースを支配。ラウンドを重ねるごとに観客の声援は「アリ!」の大合唱となり、会場はかつてない熱気に包まれた。

スピンクスは今年2月、プロわずか8戦目でアリを破って王座を獲得したばかりだったが、今回はその勢いを再現できず。若さとパワーを武器に果敢に挑むも、アリの経験と技術の前に打開策を見出せなかった。

アリは試合後のリング上で、「これは神と人々のための勝利だ」と語り、涙ぐむ姿も見せた。かつて“ザ・グレイテスト”と称され、王座を追われ、復帰と挫折を繰り返してきた男が、再び栄光の頂に立った瞬間だった。

なお、この試合は全米で数千万人がテレビ観戦したと見られ、世界中のファンが注目する歴史的な一戦となった。アリの今後については、引退説も根強く囁かれているが、本人は明言を避けた。

— RekisyNews スポーツ面 【1978年】

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