平和の祭典、アントワープ五輪が閉幕 戦後初の五輪に世界が希望を見出す

【アントワープ(ベルギー)9月12日】

4月20日より約5か月にわたり開催されていた第7回夏季オリンピック競技大会(アントワープ大会)が本日、盛大に閉幕した。第一次世界大戦後、初の開催となった今大会には29か国から約2,600人の選手が参加し、平和と再生の象徴として国際社会の注目を集めた

主催国ベルギーは、戦争によって甚大な被害を受けたものの、世界からの支援と自国民の努力により今大会の開催に漕ぎつけた。開会式では、オリンピック史上初めて「五輪旗」が掲揚され、「選手宣誓」も初導入されるなど、今後の五輪の形を決定づける出来事が数多く見られた。

また、今大会は敗戦国であるドイツ、オーストリア、ハンガリーなどが招待されず不参加となる一方、日本が3大会連続で参加し、水泳の高石勝男らが健闘を見せた。アメリカは依然として強豪ぶりを見せつけ、金メダル41個を含む全95個のメダルを獲得し、国別メダルランキングで圧倒的首位を飾った。

戦禍の記憶が色濃く残る中、スポーツによって国と国とが競い、讃え合う姿は、「平和の祭典」としての五輪の本質を再確認させるものとなった。国際オリンピック委員会(IOC)のクーベルタン男爵は、「このアントワープから、世界は再び友好を築く力を得た」と語り、今後のオリンピズムの発展に期待を寄せた。

次回大会は、1924年にフランス・パリでの開催が予定されている。

— RekisyNews スポーツ面【1920年】

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