【セントルイス 9月8日】
アメリカ・メジャーリーグベースボール(MLB)で、セントルイス・カージナルスのスラッガー、マーク・マグワイア内野手(34)が、1961年にロジャー・マリスが打ち立てた年間61本の本塁打記録をついに更新。今夜のカブス戦で放った第62号本塁打により、37年ぶりの快挙を達成した。
記録達成の一打は、1回裏の第1打席。対戦相手シカゴ・カブスのスティーブ・トラクセル投手の4球目を捉え、左翼へ鋭い弾道で放り込んだ。ブッシュ・スタジアムの観客は総立ちとなり、歴史的瞬間に沸いた。
この日、記録を破られた故ロジャー・マリスの家族もスタジアムに招かれており、マグワイアはベースを一周した後、彼らに抱擁で祝福を受けた。また、同じく年間60本以上を記録し競り合っていたサミー・ソーサ(カブス)も、敵チームながら温かく祝福の拍手を送る姿が印象的だった。
「信じられない。本当に夢のようだ」と語るマグワイアは、スポーツマンシップとパワーを体現し、全米の野球ファンに感動を届けた。
今シーズンはマグワイアとソーサの「ホームラン・レース」が大きな話題となり、低迷していたMLB人気を再燃させる起爆剤となっている。
この記録更新はMLB史に刻まれるとともに、21世紀を目前に控えたアメリカの野球界に新たな希望の光を灯した。
— RekisyNews スポーツ面 【1998年】