【ローマ 9月7日】
第17回オリンピック・ローマ大会で、日本男子体操団体が団体総合で悲願の金メダルを獲得した。これは日本体操史上初の快挙であり、近年の地道な強化と技術革新が世界の頂点に結実したかたちとなった。
日本チームは小野喬、竹本正男、田中敬三、池田敬一、遠藤幸雄、鶴見修治の6選手で構成され、ライバルであるソビエト連邦、フィンランド、東ドイツなど強豪国を抑えて合計得点でトップに立った。特に床、鞍馬、鉄棒での演技は世界的にも高い完成度と評価され、正確さと美しさを兼ね備えた「体操ニッポン」の名を世界に印象づけた。
この勝利は日本スポーツ界全体にとっても象徴的な出来事であり、戦後の復興と国際舞台への復帰を印象づける金メダルとなった。演技後の選手たちは歓喜に沸きながら、国旗掲揚と君が代に涙を浮かべた。
ローマの地で生まれたこの「初金メダル」は、日本体操の栄光の歴史の幕開けとして、今後も語り継がれていくだろう。
— RekisyNews スポーツ面 【1960年】