【東京 9月5日】
後楽園球場で行われた本日の試合において、国鉄スワローズの金田正一投手(29)が前人未到の通算3509奪三振を記録し、奪三振数の世界新記録を樹立した。これまでの記録は米大リーグの名投手ウォルター・ジョンソン氏の3508で、実に半世紀近く破られていなかった大記録である。
この日、金田投手は大洋ホエールズ打線を前に力投を続け、七回表に高橋選手から空振り三振を奪い、記録更新を成し遂げた。球場内には場内アナウンスが響き渡り、三塁側観客席からは拍手と歓声が上がった。試合終了後には花束が贈られ、金田投手は「ただただ勝利のために腕を振ってきた結果です」と、謙虚に語った。
1933年に愛知県に生まれ、1950年に国鉄へ入団した金田投手は、これまでに通算300勝も視野に入れる活躍を続けており、「怪童」とも称されるその剛腕は日本プロ野球界の象徴ともなっている。
球団関係者は「日本球界が世界の頂点に立った証」と述べ、若い投手たちへの大きな刺激となることを期待している。今後のさらなる記録更新に注目が集まる。
— RekisyNews 社会面 【1962年】