【ローマ 9月5日】
ローマオリンピック・ボクシング競技において、アメリカ代表のカシアス・クレイ(18歳)がライトヘビー級で見事な勝利を収め、金メダルを獲得した。将来の世界王者とも噂されるその類まれなスピードとフットワークで観客を魅了し、国際舞台で鮮烈なデビューを果たした。
決勝戦では、ポーランドのズビグニェフ・ピエトシュィコフスキ選手との対戦。クレイは開始直後から積極的に動き、的確なジャブと華麗なステップで主導権を握った。試合は判定へともつれ込んだが、クレイの優勢は明らかで、3-0の判定勝ちが告げられた瞬間、アメリカ応援団は歓声に沸いた。
ルイビル出身のカシアス・クレイは、幼少期からボクシングに打ち込み、国内大会で数々の実績を積んできた新鋭。リング上では常に挑発的なトークと自信に満ちたスタイルで知られ、試合後のインタビューでも「僕が世界一になる日は近い」と堂々と宣言した。
今大会の金メダルは、クレイのキャリアにとってまさに通過点に過ぎないと見る関係者も多い。アマチュア界からプロボクシングの世界へ、彼がどのような軌跡を描くのか、世界中の注目が集まっている。
将来、彼の名が世界中のリングに轟く日もそう遠くないかもしれない。
— RekisyNews ローマ五輪速報 【1960年】