王貞治、通算756号本塁打で世界新記録達成 ハンク・アーロン超え

 【東京 9月3日】

後楽園球場が歴史的瞬間に沸いた。読売ジャイアンツの主砲・王貞治選手(37歳)が今夜、対ヤクルト戦にて通算756本目の本塁打を放ち、ハンク・アーロン氏(米・元ブレーブス)の持つ世界最多記録755本をついに更新した。

四回裏、王選手はヤクルトの投手・鈴木康二朗から放たれた内角球を完璧にとらえ、ライトスタンド中段へと運んだ。打球がスタンドに吸い込まれた瞬間、場内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれ、グラウンドには祝福の花束と紙吹雪が舞った。

通算本塁打記録の更新は、日本プロ野球界にとっても、また世界の野球史においても歴史的快挙であり、試合後のセレモニーでは王選手に花束が贈られ、読売巨人軍長嶋監督をはじめ、球界関係者やファンが偉業を称えた。

王選手は1959年にプロ入りして以来、一本足打法を武器に本塁打を量産し、昭和の野球界を象徴する存在として活躍してきた。通算756本塁打という記録は、技術・精神力・長年の鍛錬の積み重ねがなければ成し得ないものであり、日本だけでなく海外からも賞賛の声が寄せられている。

試合後、王選手は「一打席一打席を積み重ねてきた結果がこの数字になった。支えてくれた家族、監督、チームメイト、ファンの皆さんに心から感謝したい」と語り、目頭を熱くした。

「世界の王」と称されるにふさわしい金字塔が、今夜、日本球界の歴史に新たな1ページを刻んだ。

— RekisyNews スポーツ面 【1977年】

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