【モンツァ 9月3日】
本日、ロンバルディア州モンツァ・サーキットで開催された第7戦イタリアグランプリにおいて、アルファロメオのジュゼッペ・ファリーナ選手(43歳)が堂々の優勝を果たし、1950年に創設されたF1世界選手権の初代ワールドチャンピオンの座に輝いた。
アルファロメオの名車「Alfetta 159」に搭乗したファリーナは、同じく優勝候補のチームメイト、ファン・マヌエル・ファンジオ選手との接戦を制し、全7戦で3勝目を挙げる完璧な締めくくりとなった。スタートから冷静なレース運びを見せ、圧倒的なスピードと安定感で母国ファンの期待に応えた。
モンツァのサーキットは、今大会に向けて路面整備と安全対策が強化され、12万人とも言われる大観衆が詰めかける中、イタリア国旗が誇らしく翻る中でのチェッカーフラッグとなった。地元出身のファリーナは、表彰台で感極まりながら「この勝利はアルファロメオと祖国イタリアの努力の結晶です」と語った。
F1世界選手権は、今季初めて国際自動車連盟(FIA)が主導する形で開催され、欧州を中心に7戦が展開された。技術と人間の限界に挑む新たな舞台として注目を集め、英国、スイス、ベルギー、フランスなどでの開催を経て、ついに最終戦のモンツァで王者が決定した形となる。
今大会で投入された「Alfetta 159」は、戦前のグランプリ技術を昇華させた傑作とも評されるマシンで、直列8気筒エンジンに過給器を搭載し、最高速は300km/h近くに達する。ファリーナはその性能を最大限に引き出し、安定した走行でライバル勢を圧倒した。
今後もF1はさらなる技術革新と国際化が期待されており、ファリーナの快挙はまさにその幕開けを告げる歴史的勝利となった。
— RekisyNews スポーツ面 【1950年】