【横浜 8月31日】
横浜スタジアムで本日行われたプロ野球セ・リーグ公式戦「大洋ホエールズ対阪神タイガース」戦において、試合終了後、一部観客が審判団に詰め寄り、複数の審判が暴行を受ける前代未聞の事件が発生した。現場は騒然となり、警察官と警備員が制止に入るも収拾がつかない混乱となった。
問題の発端は、試合終盤の八回裏、大洋の攻撃時に起きた判定をめぐるトラブルだった。阪神ベンチからの強い抗議が続く中、観客席の一部で不満が高まり、終了直後に数十人がグラウンドへなだれ込んだ。審判団はバックネット裏へ退避を試みたが、一部観客がこれを追いかけ取り囲む形となり、複数名が殴る蹴るの暴行を受けた。
神奈川県警は即座に出動し、スタジアム内で数名を現行犯逮捕。重傷者は出なかったものの、主審を含む2名が打撲などの軽傷を負った。球団関係者は「安全対策の不備を痛感している。観客に恐怖を与えたことを深くお詫びしたい」とコメントした。
プロ野球機構(セ・リーグ事務局)は今回の事態を重く受け止め、今後の再発防止策として警備体制の強化を検討する方針を発表した。観客による審判団への直接的な暴力は極めて異例で、野球界全体に大きな衝撃を与えている。
事件後、スタジアム周辺は深夜まで混乱が続き、地元警察は観客への事情聴取を進めている。日本野球史上稀に見る不祥事として、今後の対応が注目される。
— RekisyNews スポーツ面 【1982年】