【デトロイト 8月30日】
本日、デトロイト・タイガースに新たなスター候補が現れた。19歳の外野手、タイ・カッブ（Ty Cobb）が地元ベネット・パークで行われたニューヨーク・ハイランダーズ戦でメジャーリーグデビューを果たし、初安打と打点を記録。地元ファンの間で早くも大きな話題となっている。
試合前、スタンドには「新人が出るらしい」との噂が広がり、観客の視線は若きジョージア出身の新顔に注がれた。第2回の打席でカッブは初球を鋭く捉え、左翼線への二塁打でデビュー初安打を飾る。観客席からは歓声が沸き起こり、三塁ランナーが生還するとタイガースベンチは総立ちで祝福した。
カッブはその後も果敢な走塁を見せ、外野守備では強肩を披露。試合後、タイガースのビル・アーマー監督は「若いが冷静で、勝負どころでの判断が素晴らしい。大きく成長する素材だ」とコメントした。チームメイトの一人も「彼はチームに新しい風を吹き込むだろう」と期待を寄せる。
観客席にいた地元ファンの男性は「初打席から打つなんて信じられない。これから毎試合が楽しみだ」と語り、子供たちはカッブの名を叫びながらボールを追いかけた。デトロイト・フリー・プレス紙は速報で「南部から来た若き俊足の外野手が、虎の未来を変えるかもしれない」と報じている。
試合はタイガースが5対3で勝利し、チームの連敗を2で止めた。
ベネット・パークに吹いた爽やかな夏の風とともに、タイ・カッブの名は今、デトロイトの街に広がり始めている。
— RekisyNews スポーツ面 【1905年】
