【セントルイス 8月19日】
本日、米大リーグの試合で、史上最も小柄な選手として記録されるエディ・ゲーデル氏が初出場を果たした。身長はわずか3フィート7インチ(約109センチ)。観客の視線を一身に集めたその姿は、球史に前例のない光景として大きな話題を呼んでいる。
試合はアメリカン・リーグ、セントルイス・ブラウンズ対デトロイト・タイガース戦。二回裏、代打として打席に立ったゲーデル選手は、小さな strike zone を武器に四球を選び、一塁へ歩いた。観客席からは驚きと爆笑、そして盛大な拍手が巻き起こり、場内は一時騒然となった。
起用したのはブラウンズのオーナー、ビル・ベック氏。奇抜な発想で知られる同氏は「野球は娯楽であり、観客を楽しませるのが第一」と語り、話題性を狙った采配であることを隠さなかった。もっとも、メジャー機構は即日調査に乗り出し、今後同様の起用が認められるかどうかは不透明だ。
ゲーデル選手は登場に際してユニフォーム姿でファンに笑顔を見せ、「人生で最も誇らしい瞬間だ」と語った。観客の一人は「これぞ野球の面白さだ。忘れられない日になる」と興奮を隠さなかった。
しかし一方で「競技の公正さを損なう」との批判も根強く、スポーツ紙の論評では「娯楽性と競技性の線引きをめぐる議論を呼ぶ」と分析している。
それでも、この日のゲーデル出場は野球史の一ページを飾る出来事であることに変わりはない。小さな体で大舞台に立った姿は、多くの人々の記憶に鮮烈に刻まれるだろう。
— RekisyNews スポーツ面 【1951年】