横浜で初のナイター プロ野球公式戦、光の下で熱戦

 【横浜 8月17日】

本日、横浜ゲーリック球場において、日本で初めてのプロ野球公式戦のナイトゲームが開催された。スタンドを取り囲む照明灯が一斉に点灯されると、白球が闇を切り裂く新しい野球の光景が現れ、観客は大きな歓声で迎えた。

試合は太陽が沈んだ午後7時に開始。電灯に照らされたグラウンドでは、選手の動きがくっきりと浮かび上がり、昼間とは違う迫力があった。観客席には会社帰りの人々や家族連れなど約2万人が詰めかけ、普段昼間の観戦が難しい層も加わって球場は異様な熱気に包まれた。

プレーは時折、照明に打球がかすめて見失う場面もあったが、選手たちは徐々に環境に慣れ、華やかな試合運びを展開。観客の拍手や歓声は昼の試合以上に大きく響いた。売店ではビールや軽食が飛ぶように売れ、夜の娯楽としての新しい形を予感させた。

試合後、観客の一人は「昼は仕事で球場に来られないが、これなら野球を楽しめる」と語り、選手からも「照明の下での試合は新鮮で、力が入った」と感想が聞かれた。球団関係者は「観客層の拡大につながる」と今後の可能性を強調する。

照明設備の設置には大きな投資が必要だったが、興行面での効果は大きいとみられる。今回の成功を受け、他球場でも導入の動きが広がるのは必至だ。

歴史的な第一歩を記した横浜の夜空に、白球はまぶしく輝いた。

— RekisyNews スポーツ面 【1948年】

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