全国中等学校野球大会、記念すべき第一回が開幕

 【豊中 8月17日】

本日、大阪府豊中の運動場において、第1回全国中等学校優勝野球大会が開幕した。全国各地から予選を勝ち抜いた11校が参加し、初めて「全国一」を競う舞台が整った。灼熱の太陽の下、開会式には選手、関係者、そして地元市民ら数千人が集まり、記念すべき第一歩を祝った。

開会式では、各校の選手が堂々と行進し、ユニフォームに身を包んだ若者たちの姿に観客は大きな拍手を送った。主催者代表は「野球を通じて若人の心身を鍛え、全国の親交を深めんことを願う」と訓辞。続いて行われた第一試合では、力強い投球と鋭い打球が続出し、観衆を沸かせた。

この大会は、従来各地方で盛んに行われていた中等学校野球を一堂に集め、真の日本一を決める初の試み。出場校の選手たちは「学校の名誉を背負い、全力で戦いたい」と意気込みを語る。観客からは「若い力に感動した」「全国大会らしい華やかさがある」との声が聞かれた。

試合は連日行われ、優勝校が決定するまで熱戦が繰り広げられる予定。運動場周辺では臨時の売店も並び、にわかに祭りのような賑わいを見せている。地元紙の論説は「この大会が末永く続けば、わが国の野球の発展を大きく後押しするだろう」と期待を寄せた。

豊中から始まった全国大会の歴史は、若者たちの汗と声援に包まれ、今日その幕を開けた。

— RekisyNews スポーツ面 【1915年】

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