【ロサンゼルス 8月12日】
16日間にわたり世界中の注目を集めた第23回夏季オリンピックが本日、ロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで閉幕した。84か国から6700人を超える選手が参加し、競技場やプール、街の至る所で熱戦が繰り広げられた大会は、記録更新とドラマに彩られた。
閉会式は夕刻から始まり、満員の観客が拍手で選手団を迎えた。各国旗がコロシアムを巡る中、大会旗は次回開催都市に引き継がれ、炎がゆっくりと消えると会場は感動の静けさに包まれた。花火が夜空を染め上げ、音楽に合わせて観客と選手が一体となり、別れを惜しんだ。
今大会で日本選手団は金10、銀8、銅14の計32個のメダルを獲得した。体操では具志堅幸司が男子個人総合で金、男子団体は銅を確保した。柔道では山下泰裕が負傷を押して優勝を果たし、日本の底力を示した。シンクロナイズドスイミングで元好三和子がソロ銅、元好三和子/木村さえ子組がデュエット銅と健闘を見せた。
競技面では世界的にも陸上100メートルでカール・ルイス選手が四冠達成、体操ではメアリー・ルー・レットン選手が米国女子初の個人総合優勝を成し遂げるなど、歴史的な場面が続出した。
大会は商業スポンサーや放映権収入を積極的に活用し、既存施設の改修を中心に運営。財政面の健全性と都市全体の一体感が評価され、主催者は「競技だけでなく市民が参加した祭典だった」と総括した。
— RekisyNews スポーツ面 【1984年】