アメリカ野球学会(SABR)発足 クーパーズタウンで16人が結集、記録と研究の共有へ
【ニューヨーク州クーパーズタウン 8月10日】
全米各地の野球研究者・統計家16人が本日、国立野球殿堂図書館に集い、**アメリカ野球学会(Society for American Baseball Research=SABR)**を正式に設立した。呼びかけ人のL・ロバート(ボブ)・デイビッズ氏が議長を務め、会の趣旨として「野球の歴史と統計記録の研究・普及」を掲げた。
発会式では役員も選出され、会長にデイビッズ氏、副会長にジョン・パードン氏、書記兼会計にボブ・マコーネル氏が就任。年会費は10ドルと決まり、名称は検討の末に「Society for American Baseball Research(SABR)」で一致した。
設立メンバーは、野球を「米国の重要な社会・スポーツ文化」と位置づけ、①正確な歴史の確立、②研究情報の流通促進、③国民的娯楽としての野球の発展、④会員の研究成果の保護 -など5つの目的を採択。今後は年次集会を開催し、ニュースレターの発行と年刊の研究集刊行を目指す。
会場を提供した殿堂側との調整は、同館のヒストリアンであるクリフ・カックライン氏が担い、開催地にふさわしい環境が整った。参加者は、地方支部(チャプター)活動の立ち上げや、データ整備・史料検証の共同作業に意欲を示している。
デイビッズ会長は「数字と史実の両面から野球をより深く理解し、その成果を広く共有したい」と述べ、初年度から会員拡大と出版計画の具体化を進める考えだ。
— RekisyNews 文化・スポーツ面【1971年】