【クアラルンプール 3月24日】
マレーシア・シャーアラムスタジアムで行われたアトランタ五輪アジア最終予選・準決勝において、U-23日本代表はU-23サウジアラビア代表を2-1で下した。この勝利により、日本は1968年のメキシコ五輪以来、実に28年ぶりとなるオリンピック出場権を自力で獲得した。1993年の「ドーハの悲劇」以来、閉塞感の漂っていた日本サッカー界にとって、ついに世界の扉をこじ開ける歴史的快挙となった。
試合は序盤からエースの輝きが解き放たれた。前半4分、キャプテンの前園真聖選手が電光石火の先制ゴールを決め、日本に主導権をもたらした。その後はサウジアラビアの猛攻にさらされ、一進一退の攻防が続いたが、後半開始から投入された中田英寿選手がリズムを変える。後半14分、中田選手のスローインを起点に、伊東輝悦選手とのパス交換から再び前園選手が均衡を破る価値ある追加点を叩き込み、リードを2点に広げた。
終盤、サウジアラビアの波状攻撃により1点を返され、防戦一方の苦しい展開を強いられた。しかし、守護神・川口能活選手が神懸かり的なセーブを連発してゴールを死守。試合終了のホイッスルが鳴り響くと、西野朗監督を筆頭に選手たちはピッチに崩れ落ち、抱き合って涙を流した。「アジアの壁」に阻まれ続けた28年間の苦闘が、若き才能たちの躍動によって報われた瞬間であった。
この勝利により、日本は翌日の決勝(韓国戦)を待たずしてアトランタへの切符を手にした。Jリーグ発足から4年、日本サッカーのレベルが確実に世界へ近づいていることを証明した。今回の代表チームは、城彰二選手や松田直樹選手ら、既存の枠に囚われない個性派が揃っており、本大会でのメダル獲得への期待も高まっている。長く閉ざされていた世界の舞台へ、日本サッカーの新たな黄金時代がここから始まろうとしている。
— RekisyNews スポーツ面 【1996年】
