【広島 3月23日】
深刻な資金難から解散・合併の危機に瀕していたプロ野球・広島カープは本日、広島県および中国新聞社などが提示した強力な再建策を受け入れ、球団の存続を正式に決定した。一時は大洋ホエールズへの吸収合併が確実視され、関係者が「解散届」を携えて上京する直前まで追い詰められていたが、広島の街から野球の灯を消してはならないという地元経済界と市民の執念が、土壇場での逆転劇を生んだ。
1950年の創設以来、特定の親会社を持たない「市民球団」として出発したカープだったが、初年度から選手への給与遅配が続くなど経営は火の車であった。今回の再建策では、広島県、広島市、そして地元紙である中国新聞社が中心となり、資金援助や興行面での全面的なバックアップを約束。さらに、苦しい家計の中から「10円、50円」と寄せられた市民による「後援会」の浄財が、球団存続の大きな後ろ盾となった。これは、特定の巨大資本に頼らない新しいプロ野球経営の形を模索する試みでもある。
代表者は会見で「県民の皆様の熱意に報いるため、一丸となって戦い抜く」と決意を表明。戦後の焦土から立ち上がろうとする広島にとって、カープは単なる野球チームを超えた復興の象徴であり、今回の存続決定は県民に計り知れない希望を与えることとなる。今後は経営基盤の安定を図りつつ、強豪チームへと成長するための長い闘いが始まる。その不屈の精神は、日本プロ野球史に刻まれるべき奇跡として語り継がれるだろう。
— RekisyNews スポーツ面 【1951年】
