【ストックホルム 3月21日】
スウェーデンのストックホルム・スタジアムにおいて本日、涙と笑顔が入り混じる奇跡の光景が見られた。1912年の第5回五輪でマラソンに出場し、日射病で棄権したまま「行方不明」とされていた金栗四三氏(75)が、大会開催55周年式典に招待され、半世紀以上を経て用意されたゴールテープを切り、完走を果たした。
1912年当時、金栗氏は競技中に意識を失い、地元農家で介抱されたが、大会本部に棄権の連絡が届かず「消えた日本人」として伝説化していた。本日のゴールタイムは「54年8ヶ月6日5時間32分20秒3」という、五輪史上最も遅い、そして最も感動的な世界記録として公式にアナウンスされた。
ゴールした金栗氏は「長い道のりでした。途中で妻を娶り、子供が生まれました」とユーモアを交えて語り、スタジアムに詰めかけた観衆から割れんばかりの拍手を浴びた。一人のランナーが貫いた誠実さと、それを温かく迎えたスウェーデン国民の心が結んだこの物語は、スポーツの枠を超えた真のオリンピック精神として永遠に語り継がれるだろう。
— RekisyNews 社会面 【1967年】
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