FAカップ準々決勝で群衆事故 ── ボルトンの本拠地で33名死亡

【ボルトン 3月9日】

本日午後、ボルトンのバーンデン・パーク・スタジアムで開催されたFAカップ準々決勝において、観客が折り重なって倒れる大規模な群衆事故が発生した。地元警察の発表によれば、この事故で33名が死亡、負傷者は500名を超える見通しだ。平和が戻り、サッカーの熱狂に沸く英国において、スポーツ史上最悪の悲劇となった。

事故が起きたのは、ボルトン・ワンダラーズ対ストーク・シティの試合開始直後であった。戦後のリーグ再開を待ちわびた群衆がスタジアムに殺到し、公式収容人数を遥かに超える8万人以上が詰めかけていた。特に「鉄道堤防側」と呼ばれた立ち見席では、後方からの圧力に耐えきれなくなった前方の人々が、次々と防護柵をなぎ倒してピッチ側へ崩れ落ちた。

現場は阿鼻叫喚の図に包まれ、多くの観客が圧死または窒息により命を落とした。救護活動が続く中、遺体は外套を被せられてピッチのライン際に並べられたが、スタジアム全体のパニックを回避しようとした審判と警察の判断により、試合はわずか30分の中断の後に再開されるという異例の事態となった。

ストーク・シティのスター、スタンリー・マシューズ選手を一目見ようと集まった多くの家族連れが、この惨劇に巻き込まれた。地元当局は、過剰な入場券の販売と不十分な群衆管理が原因であるとして、週明けにも本格的な調査委員会を設置する方針だ。歓喜の場であるはずのスタジアムが、一瞬にして戦場さながらの地獄と化した今日という日を、ボルトンの街は深い喪失感と共に記憶することになるだろう。

— RekisyNews スポーツ面 【1946年】

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