【ニューヨーク 2月28日】
本日、放送史に刻まれる新たな金字塔が打ち立てられた。ニューヨークの放送局W2XBS(RCA傘下)が、マディソン・スクエア・ガーデンで行われたフォーダム大学対ピッツバーグ大学のバスケットボールの試合を、世界で初めてテレビ中継することに成功したのである。
今回の実験放送は、これまで野球やアメリカンフットボールで行われてきた屋外中継とは異なり、屋内競技特有の照明不足や選手の激しい動きをどう捉えるかが大きな課題であった。しかし、最新の撮像管を備えたカメラは、コート上を駆け抜ける選手たちの躍動を鮮明に捉え、電波を通じて家庭の受像機へと届けた。
試合はピッツバーグ大学が50対37でフォーダム大学を下したが、観客の注目は勝敗もさることながら、会場に設置された巨大な放送機材にも注がれた。放送を視聴した少数の幸運な市民たちは、「選手たちの息遣いまでが画面から伝わってくるようだ」と驚きを隠さない。
今回の成功は、スポーツ観戦のあり方を根底から変える可能性を秘めている。会場に足を運べない人々が、居間のソファに座りながらリアルタイムで熱狂を共有できる時代の到来だ。テレビ放送という新しいメディアが、バスケットボールという競技を全米、そして世界的な人気スポーツへと押し上げる強力な翼となることは間違いないだろう。
— RekisyNews スポーツ面 【1940年】