氷上の奇跡、若き米国がソ連を撃破 ── レークプラシッド、奇跡の逆転劇

【レークプラシッド 2月22日】

ニューヨーク州で開催中のレークプラシッド冬季五輪において、アイスホッケーの歴史に永遠に刻まれるであろう衝撃的なドラマが生まれた。本日行われた決勝ラウンドにおいて、学生選手のみで構成されたアメリカ合衆国代表が、世界最強を誇るソビエト連邦代表を4対3で破るという、文字通りの「氷上の奇跡」を成し遂げたのである。圧倒的な実力差を覆しての勝利は、冷戦下の緊張が続く世界に大きな衝撃を与えている。

ソ連代表は、前大会まで五輪4連覇を達成しており、プロを凌駕する練度と戦術を誇る「赤い軍団」として恐れられていた。一方、米国代表を率いるハーブ・ブルックス監督は、無名の大学生たちを集め、徹底した走力と団結力を叩き込んできた。試合はソ連が先行する苦しい展開となったが、第3ピリオドに米国が2ゴールを挙げて逆転。会場を埋め尽くした地元ファンによる「U-S-A!」の怒号のような大合唱の中、若き米国人たちは最後の1秒までソ連の猛攻を耐え抜き、難攻不落の絶対王者を氷上に沈めたのである。

現場のフィールドハウス内は、試合終了のホーンとともに狂乱の渦に包まれた。興奮のあまりリンクになだれ込む観客や、星条旗を肩に抱き合い涙を流す選手たちの姿は、スポーツの枠を超えた愛国的な情熱を象徴している。ある観戦者は「ダビデがゴリアテを倒した瞬間だ」と震える声で語り、全米放送の解説者が叫んだ「あなたは奇跡を信じますか?」という言葉が、早くも国民的な流行語となりつつある。一方で、敗れたソ連の選手たちは信じられないといった面持ちで立ち尽くしており、鉄の規律を誇る強豪が喫した歴史的敗北の重みが、静まり返ったベンチに漂っている。

この「氷上の奇跡」が、低迷するアメリカ社会に大きな自信と活力を与え、五輪におけるアマチュアリズムの意義を再認識させるのではないかとの見方もある。第二次世界大戦後の東西対立が続く中、この1勝が人々の記憶にいかなる神話として残っていくのか、世界中から熱く注目される。

— RekisyNews スポーツ面 【1980年】

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