【札幌 2月6日】
札幌で開催中の冬季オリンピックは本日、スキージャンプ70メートル級が行われ、日本勢が表彰台を独占する歴史的快挙を成し遂げた。笠谷幸生が金メダルを獲得し、金野昭次が銀、青地清二が銅に入り、三つのメダルすべてを日本選手が占めた。
競技は札幌市の宮の森ジャンプ競技場で実施された。朝から冷え込みが厳しく、吐く息が白く立つ一方、スタンドには旗を手にした観衆が早くから詰めかけ、助走路を見上げる視線が途切れなかった。市内の喫茶店や酒場でも競技経過が話題となり、ラジオに耳を寄せる人の輪ができたという。1回目から日本勢は揃って上位に名を連ね、特に笠谷は踏み切りの切れと空中姿勢の安定で他国選手を引き離した。
2回目は風向きが揺れ、待機中の選手が板を抱えて空をうかがう場面も見られたが、笠谷は大きな乱れなく飛距離をまとめ、首位を守り切った。金野、青地も助走から踏み切りまでのリズムを崩さず、着地後に小さく拳を握る姿が印象的だった。三選手が並んで日の丸を背に表彰台へ進むと、会場はどよめき、歓声と拍手が長く続いた。
海外勢も上位に食い下がったが、今日は日本の完成度が一枚上回った。選手団関係者は「地元の雪質や風の癖を知るだけでなく、長い時間をかけて積み重ねた技術がものを言った」と話す。得意種目とされてきたジャンプが最高の形で結実したことで、残る種目にも弾みがつくとの見方が広がっている。
— RekisyNews スポーツ面 【1972年】
