【川崎 2月5日】
本日、神奈川県川崎市の川崎競輪場で行われていた競輪開催中、八百長ではないかとの疑念が観衆の間で広がり、抗議が次第に激化。ついには約2万人とみられる観客が場内になだれ込み、暴動状態に発展する重大な騒擾事件となった。
騒ぎは、最終レース直後に特定選手の不自然な走行や着順をめぐり、一部観客が強く反発したことから始まった。怒号と罵声が飛び交う中、観客の一団が柵を乗り越えてコース内へ侵入。これに呼応するように群衆が殺到し、投票所や施設の一部が破壊されるなど、場内は一時完全に制御不能となった。
主催者側はただちに開催中止を決定し、警察に出動を要請。県警は多数の警察官を動員して鎮圧にあたり、夕刻までに秩序は回復したものの、負傷者や物的被害の詳細はなお調査中とされている。関係者によれば、現場では恐怖のあまり泣き出す家族連れの姿も見られ、娯楽の場が一転して不安と混乱の渦に包まれた。
この事件は、戦後間もない混乱期における公営競技への不信感が、一気に噴き出した象徴的な出来事とも受け止められている。主催団体は、審判体制や運営の在り方について厳正な見直しを行う考えを示しており、再発防止策が急務となっている。
— RekisyNews 社会面 【1950年】
