人類の月探査に一区切り──アポロ17号、地球へ帰還

17号の着水後の回収作業

【太平洋上 12月19日】

本日、アメリカの有人月宇宙船アポロ17号が地球への帰還を果たした。同船は今月上旬に打ち上げられ、月面での探査活動を終えて帰路に就いていたもので、太平洋上に着水し、乗員は無事回収された。これにより、1960年代から続いてきたアメリカの有人月探査計画は一つの節目を迎えた。

アポロ17号は、月面での地質調査や試料採取、各種観測を実施し、これまでで最も長時間の月面滞在を記録した。搭乗した宇宙飛行士は、月の成り立ちを探るための岩石や土壌を多数持ち帰り、月探査の科学的成果を大きく拡充したと評価されている。

今回の帰還により、アポロ計画は事実上の終了となる。計画は冷戦下の国家的事業として進められ、月面到達という目標を達成してきた。一方で、今後の宇宙開発は地球周回軌道での活動や無人探査へと重点が移る見通しで、有人月飛行は当面行われないとされている。

アポロ17号の帰還は、人類が月へ到達した時代の締めくくりとして、宇宙開発史に長く記憶される出来事となった。

— RekisyNews 科学面 【1972年】

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