【ロンドン 12月18日】
本日、イギリス上院は「死刑廃止時限法」の無期限延長を可決し、国内における死刑廃止が最終的に確定した。これにより、一定期間の試行措置として導入されていた死刑停止は恒久的な制度変更となり、英国の刑事司法は新たな段階に入ることとなった。
死刑廃止時限法は数年前に制定され、凶悪犯罪に対する刑罰の在り方をめぐる国民的議論の中で運用されてきた。上院での審議では、誤判の危険性や人道的観点、刑罰の抑止効果をめぐる評価が改めて論じられ、生命を不可逆的に奪う刑罰を国家が行うべきではないとの意見が多数を占めた。
一方、被害者感情や治安への影響を懸念する声も根強く、討論は慎重に進められた。最終的に上院は、死刑に代わる長期刑や終身刑の運用を強化することで社会秩序を維持できると判断し、無期限延長に踏み切った。
この決定により、イギリスは欧州における人権重視の潮流をさらに明確にし、刑罰の目的を報復から更生と社会防衛へと移す姿勢を内外に示した。政府は今後、関連法制度の整備を進める方針だ。
— RekisyNews 国際面 【1969年】
